アマムブックイの洞穴
どんな伝承か
知名町瀬利覚に伝わる。この洞穴のある畑は、もとは黒貫の人の土地だった。働き者の夫婦が毎日この畑に来ており、ある日、父は芋を植えるために畑を耕し、母は赤ん坊を背負って芋づるを植えていた。日に照らされて汗ばみながら眠る赤ん坊を憐れみ、畑の隅の涼しい所に寝かせた。一時間ほどして赤ん坊が急に大声で泣き出したので母が駆けつけると、化物のような大きなアマムブックイが赤ん坊をさらい、洞穴の奥へ引きずり込んでいくところだった。夫婦は真暗な洞穴に入って泣き声を追ったが、穴は次第に狭まって進めなくなり、声も奥へ遠ざかって聞こえなくなったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第15巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全185話(奄美・沖縄=南西諸島)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。