野底山の頂で石になったマーベ
どんな伝承か
二百四、五十年ほど前、人の増えすぎた黒島から一部の者を石垣島の野底へ移して新しい村を開けと、王庁の命が下った。移住者のなかにマーベという娘がいたが、島にはカニムイという恋人を残しており、移ってからも思いは断てなかった。ある日、娘は黒島を望もうと野底山に登る。しかし目の前に立ちはだかる大本山に遮られて、島影は見えない。娘は頂で南を向いたまま泣き伏し、案じた村人が登ってみたときには、座った姿のまま冷たい石になっていた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第15巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全185話(奄美・沖縄=南西諸島)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。