津波を招いた人魚と漁の掟
どんな伝承か
波照間の漁師三人が沖へ出たところ、釣り上がったのは人魚だった。三人は怖くなって糸を手放そうとしたが、人魚のほうが舟に乗せてほしいと願い出る。請われるまま島へ渡してやると、人魚は上機嫌で島じゅうを歩き回った。ところが高みに腰を下ろしていた老人が沖の異変に気づいて触れ回り、人魚に見入っていた村人たちも慌てて逃げ出す。人魚は笑って両腕を差し上げ、押し寄せる波を呼び寄せると、そのまま津波にまぎれて姿を消したという。以来この島では、人魚が釣針にかかれば糸を断ち、舟を岸へ戻す習わしになったと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第15巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全185話(奄美・沖縄=南西諸島)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。