つき入れ団子
どんな伝承か
神武天皇が美々津港から出航するため天候の回復を待っていたが、船出によい天気となったので、翌早朝に発つ旨が港の町に伝えられた。人々は別れを惜しみ、各戸から団子を作って差し上げようと準備にかかった。ところがまだ夜も明けないうちに「起きよ、起きよ」と戸毎を叩く音がし、天皇のお立ちだという。どの家でも団子はできあがっていなかったので、あわてて小豆と米の粉を搗きまぜたものを差し上げた。これが美々津に伝わるつき入れ団子である。船出の日である八朔の節句には、天皇の通路であった家がこの団子を作る。子供たちはまだ暗いうちに起きて七夕竹を持ち「起きよ起きよ」と走る。通路以外の家では腹痛を起こすというので作らないという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第14巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全75話(熊本・宮崎・鹿児島=南九州)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。