湯と水を湧かせた流され姫
どんな伝承か
開聞神社の神の姫宮の中に、いつも白い足袋をはいて決して脱ごうとしない姫がいた。ある日、暑いからと言って老女が足袋を脱がせると、その足は牛や馬のように分かれていた。身分ある家に置いてはおけぬということで、姫は一生食べるに困らぬだけの金を入れた壺とともに舟へ乗せられ、流された。流れ着いた先で姫が寒いと言うと湯が湧き、そこを湯之と呼ぶようになった。ところが湯之の人々は神を捨てたので、姫はふたたび海へ流され、野尻に着いた。姫が水を求めると水が湧き、それゆえ野尻の水は今も豊かなのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第14巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全75話(熊本・宮崎・鹿児島=南九州)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。