九十九谷
どんな伝承か
「九十九谷」伝説の類話。大分県大分市に伝わる。鎮西八郎源為朝は、村々の子どもを取って食う鬼に、一夜で百の谷をつくれるかと賭けを挑んだ。鬼が百こめの谷をつくりかけたとき、為朝は両脇をにわとりの羽根のように打ち鳴らし、「コケコッコー」と鳴いて鬼を欺いた。悔しがって大岩をかみくだき暴れる鬼に、為朝は矢を射かけて追い出した。足のつけねに深く刺さった矢をやっと抜き取った鬼は、それを雄城の台の方へ投げつけ、それが「鬼の矢あと石」として今も残るという。鬼がくわえていた大岩は「鬼の歯形石」として西寒田神社にあると伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第13巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第13巻』所収の「文化叙事伝説」全35話(福岡・大分・佐賀・長崎=北九州)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。