天狗の羽交いを射た戸立てずの庄屋
どんな伝承か
正木の庄屋に介之丞という弓の名手がいた。稽古のさまを天狗が悪しざまに言うので、介之丞は矢を放って左の羽交いを射落としてしまう。天狗は詫びを入れ、この家に盗難を起こさせないと誓って羽交いを返してもらった。以来、この屋敷へ忍び込んだ盗人は手足が痺れて動けなくなり、戸を開け放しておいても物が失せない。人はこれを戸立てずの庄屋と呼んだ。敷居をまたいでその一部を削り取り、おとさの権現へ参れば盗難を免れるといい、削る者のために今も敷居のそばに斧が置かれている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第12巻』所収の「文化叙事伝説」全139話(香川・徳島・愛媛・高知=四国)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。