疫神の恩送り
どんな伝承か
牛島の五左衛門は、もとは大阪であくた舟を押していた。明日は正月という日、橋の下で休んでいると商人風の男が一晩泊めてくれと言うので泊めてやった。夜明け前に帰るというその男は、自分は熱病にかからせる悪い神で、節分に豆を打たれるので逃げて来た、お前には触らぬが恩を送ると言って去った。後日、番頭風の男が五左衛門を呼びに来る。旦那の枕元にはあの男がおり、五左衛門が旦那をさすると熱の神は退いて病は癒えた。五左衛門は厚く礼を受けて大分限者となり長者鑑にも載ったが、むげんの鐘をつく時、油石と浜の間に千草が生えるまでと望んだため、身代はみるみる尽きたという。
原典より
牛島の五左衛門は元は大阪へ行ってあくた舟を押しよった人じゃった。—— 日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第12巻』所収の「文化叙事伝説」全139話(香川・徳島・愛媛・高知=四国)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。