鯖大師
どんな伝承か
ある時、汚い行脚の坊さんが浜辺を通りかかると、人が買った鯖を焼いていた。坊さんが「かわいそうだから私に分けてくれ」と言い、逃がしてやるのだと告げて半分焼けた鯖を買い、そのまま海へ逃がすと、その鯖は生きて泳いで行った。これが鯖瀬の寺の縁起であるという。また、牟岐村から浅川村の間の八坂八浜では、行基が鯖を馬に負わせた馬子に鯖を乞い、断られて歌を詠むと馬の腹が痛み出し、馬子が恐れて鯖を施すと詠み直して腹痛が止んだ。今も土地の名を鯖瀬と呼び、年古びた行基庵があるという。
原典より
<柳田——「鯖大師」>鯖大師さんのお話を申します。—— 日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第12巻』所収の「文化叙事伝説」全139話(香川・徳島・愛媛・高知=四国)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。