刀鍛冶海部氏吉と山のおんば
どんな伝承か
海部氏吉という刀鍛冶がいた。その家の美しい娘を見た山のおんばが「嫁さんにくれんか」と言うので、氏吉は「一晩のうちに千腰の刀を打ったらやる」と約束した。おんばは仕事場へ行き、焼けた鉄を手ですっと撫でるだけで刀にしてしまう。約束は鶏が歌うまでであった。九十九腰まで打たれて気が気でない氏吉の母は、湯を沸かして鶏の足を温めた。鶏が「コケコッコー」と鳴くと、魔性は法が効かぬといっておんばはおんばの滝へ逃げ込んだ。その刀は宝物となり、方々の大名へ贈られたという。
原典より
<高木——「男鹿神山」>海部氏吉ちゅう刀鍛冶がおったわけですな。—— 日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第12巻』所収の「文化叙事伝説」全139話(香川・徳島・愛媛・高知=四国)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。