庄のカワコ屋
どんな伝承か
日野郡溝口町の根雨原、日野川に沿うあたりにショウゴの渕という大きな深いよどみがある。古来ここにカワコが住み、往来の旅人を悩ませていた。明暦年間のこと、庄村(現在の荘)の細矢仙左衛門が渕にもぐり、岩のうろの口をふさいでいた万鍬を取り除いて水の流れをよくした。翌朝から門柱の掛け木に、柳の枝に刺した川魚が掛かるようになった。ある朝、掛け木が折れて魚もなかったので鉄釘に取り替えると、それきり魚は来なくなった。村人は、うろを掃除された礼にカワコが魚を運んでいたのが、嫌いな鉄釘に変わったので来なくなったのだといい、以来この家をカワコ屋という門名で呼んでいる。
原典より
<高木―「河伯の証文」「河童退治」 柳田―「河童証文松」「えんこう淵」>本町根雨原地内に、国道一八〇号線を江府町にむかって進むと、左手に伯備線の白水トンネル、右手に日野川がならぶところがある。—— 日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第11巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全56話(鳥取・島根=山陰)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。