片手を切られた猫と魚屋の種子島
どんな伝承か
若狭の魚屋が荷を背負い、地蔵ヶ原で一息ついた。日が暮れたので地蔵の堂に入って横になっていると、猫が大勢現れて魚を狙う。魚屋は松の木へ登ったが、猫は次々に重なり合って籠へ手を伸ばしてきた。そこで懐剣を抜き、いちばん上の猫の片手を切り落とす。猫はギャーと叫んで逃げ去った。翌朝、鹿ヶ瀬まで来た魚屋は、新治という家の婆さんが片手を失う怪我をして寝込んでいると聞かされる。昨夜の猫が化けているに違いないと踏み、家の者に様子を尋ねてもどこか腑に落ちない。そこで種子島を取り出して婆さんを撃つと、正体は猫であった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第8巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全133話(滋賀・京都・兵庫=近畿)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。