小川の瓜と時頼
どんな伝承か
時頼が行脚僧に身をやつして諸国を旅したとき、この里に来て瓜を切る老婆に瓜を所望した。老婆は、差し上げはするがまだ将軍時頼に差し上げる前だからと言い、まず遥かに将軍へその瓜を供えてから時頼に与えた。時頼は非常に喜んでそこを去り、それからこの村では年々大きな瓜がなるようになったという。その後、老婆は鎌倉に出て将軍時頼に目通りし、礼に何でも望むものを与えると言われて、自分の家の前を通る人ごとに銭一文ずつ置かせてほしいと願った。そのとおりになり、以後人々は一文ずつ置いていった。今でも老婆が耕した瓜田が残っているという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第8巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全133話(滋賀・京都・兵庫=近畿)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。