小川の瓜と時頼
どんな伝承か
盛夏のある日、北条時頼が無名の旅僧の姿で千代川村の街道を歩いていて、ひどく渇きを覚えた。道端に飲み水が見つからず困り果て、近くの瓜畑で年老いた百姓が手入れをしていたので瓜を一つ所望した。百姓は、差し上げるがこれは初物だからしばらく待ってほしいと言い、まず一つを日天様に、次を天子様に、三つ目を鎌倉の執権北条時頼に、最後を産土神に畑の畔へ供え、それが終わってから旅僧に瓜を供養した。この様子を仔細に見ていた時頼は大変感激し、鎌倉に帰ってからこの百姓に特に小関を許したという。
原典より
時頼が一個の無名の旅僧として、或る盛夏の一日千代川村の街道を歩いて居た際、非常に渇を覚えた。—— 日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第8巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全133話(滋賀・京都・兵庫=近畿)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。