登った兵士が落ちた墓地の天狗の巣
どんな伝承か
名栗の墓地に一本の松が立っていた。さほど大きな木ではないが、地上一間半ほどの高さで枝が分かれ、その股に得体の知れない大きな巣が架かっている。誰が言い出すともなく天狗の巣と呼ばれ、村の者は誰ひとり登ろうとしなかった。ある年、演習に来た兵士が格好の物見台だと言い、驚く村人にも構わず登りはじめたが、巣のところまで達したとたん、真っ逆さまに地面へ落ちた。兵士は顔色を失い、一言も発せずに立ち去ったという。以来、村人はますますこの松を恐れて近寄らなくなった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第7巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第7巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全97話(愛知・岐阜・長野・静岡=中部)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。