社林の中で怪音が起こり妖怪と噂されたが
どんな伝承か
尾州丹羽郡の青木村では、社林の中から怪しい音が起こり、妖怪の仕業と噂されたことがあった。福島県石川郡の石川町にも、これと同じことがあった。先に信州佐久郡相木村でも、氏神を祭る社殿のある森林の中から、日蓮宗の太鼓のような響きが起こり、狸の腹鼓であると断定された例がある。こうしたことが時々起こるが、その原因は、神社の境内には古木があり、古木には空洞ができていて、梟や角鳥がその中に住んで子を産むためである。その声をたちまち妖怪と誤認してしまうのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
迷信の諸相・宗教の真相(井上円了・明治(妖怪学))
『妖怪博士』井上円了による『迷信の諸相・宗教の真相』。迷信を道理に背くことを誤って信じる心理と定義し、妖怪学の立場から全国を巡遊して各地の迷信を実地に報告・批判する(迷信打破)。