鮭の大助
どんな伝承か
新潟市の信濃川と阿賀野川の合流地点には、大助・小助という鮭の夫婦が棲んでいるといわれた。漁師たちはこれを神のように恐れ、十一月十五日を漁撈謝恩日として網を入れない。沼垂に住む横暴な豪族の王瀬長者はこれを面白く思わず、その日に大助小助を捕えよと漁師たちに命じた。前夜、長者の枕元に男の子と女の子が現れ、二匹は乙姫の家来で両川の守り神だから捕えないでくれと頼んだが、長者は聞き入れず、翌朝網を入れても捕えられない。怒ってやけ酒を飲んでいると、品の良い老人が鰻のような魚を献上に来る。喜んで妻や妾とともに食うと、たちまち皆死んでしまった。法光院内にある石塚は、王瀬長者の古碑だという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第3巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第3巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全65話(山形・福島・新潟)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。