投げた筆が補った一点の画
どんな伝承か
尻高に伝わる弘法の投筆の話。弘法大師が行脚してこの地へ来たとき、高い岩山が目に入り、たいそう面白いと思って、その岩に一仏成道、観見法界、草木国土、悉皆成仏と書きつけた。ところが書いたあとで見直すと、一点、字の画が欠けている。大師は並木というところまで来てから筆に墨をつけ、その足りないところをめがけて筆を投げ、画を補ったという。それでこのことを弘法の投筆と呼ぶようになった。そのとき大師が使った硯石も残っていたが、道普請のときに壊してしまい、いまはないと語られる。
原典より
弘法大師が行脚してこちらへ来たとき、高い岩山などがあって、非常におもしろいと思って、その岩に一仏成道 観見法界草木国土 悉皆成仏と書きつけた。—— 高山村の民俗――昔話(群馬県民俗調査報告書 第21集・群馬県民俗調査報告書・民俗調査報告) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
高山村の民俗――昔話(群馬県民俗調査報告書 第21集・群馬県民俗調査報告書・民俗調査報告)
『高山村の民俗(群馬県民俗調査報告書第21集)』所収の昔話。群馬県吾妻郡高山村に伝わる口承を採録する。