糸をたどって知った蛇婿の岩穴
どんな伝承か
おじいさんとおばあさんが娘に「お前、蛇どんの所へ嫁に行ってくれ」と言うと、上の娘は嫌だといい、次の娘も嫌だといった。三人めの娘が今度は蛇どんの所へ嫁に行った。娘は針に糸を長く刺しておき、どこまで行くのかというので、糸を持ち針を持って行ったところ、蛇どんは岩穴の中へ入っていった。それでそのなぞがすっかり解けて、娘はそこから帰って来たという。五月五日のショウブ湯は、そういういわれだなどという。
原典より
そしてね、針に糸を長ぁくさしといて、どこまで行ぐんだかってんで娘が糸を持って、針を持って行ったら、蛇どんが岩穴の中へ入っていった。—— 高山村の民俗――昔話(群馬県民俗調査報告書 第21集・群馬県民俗調査報告書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
高山村の民俗――昔話(群馬県民俗調査報告書 第21集・群馬県民俗調査報告書)
『高山村の民俗――昔話』は、群馬県民俗調査報告書の第二十一集から、年中行事の末尾と「口頭伝承」の部を収めたものである。口頭伝承は昔話・伝説・世間話の三つに分け、桃太郎・蛇婿入り・食わずの女房などの昔話、弘法の投筆や椀貸の渕・小太郎渕の伝説、怪力の馬之丞やアズキトギ・見越シ入道・かくしばあさんの世間話を載せる。各話の末尾には、中山字原・尻高字熊野・北之谷などの採録地と話者を添える。