豆を炒らされて焦げ死ぬ蛇の婿
どんな伝承か
脇野沢に伝わる「蛇聳」は、蛇が娘に懸想する昔話である。蛇は美しい男に化けて夜ごと娘のもとへ通ってくる。毎晩やってくる男の正体が蛇だと見抜いた親は、その男に豆炒りを手伝わせた。いくら炒っても親はよいと言わない。蛇である男は体そのもので豆を炒っていたため、しだいに体が焦げてくる。たまりかねた男は風に当たってくると言って外へ出たきり、そこで死んでしまったという。蛇の男に豆を炒らせて退治するこの形は、東北でも太平洋側によく見られるものである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
脇野沢村史 民俗編――伝説と世間話・キツネ伝承(脇野沢村(編)・脇野沢村史・自治体史(民俗))
『脇野沢村史 民俗編』第七章・口承文芸所収の伝説と世間話。青森県下北半島・脇野沢村の口承を採録する。脇野沢を七地域に分けて語る地名起源伝説、子供を脅す妖怪モコ・ジョジョ、海に現れる亡者船、そして数多く語られるキツネ伝承を中心とする。