トップ > 埼玉県の伝承 > 加須市

嫁を早く寝かせた鬼の「ネロハー」

所在地埼玉県加須市
年代不明(師走八日・二月八日)
登場松井庫之助、語り手
出典騎西町史 民俗編――伝説・昔話・妖怪

どんな伝承か

昔の農家の嫁は、朝早くから夜遅くまで寒く暗い土間や台所で休む間もなく働き通しで、娘を嫁に出した里の母親は気が気でなかった。秋も深まったある晩、母親がそっと嫁ぎ先をのぞくと、案の定、娘は冷えきった板の間で夜なべをしていた。不憫に思った母親は、師走八日の晩、髪を振り乱して額に鰹節を二本結わえ、帯も締めない鬼の姿になり、「ネロハー」と叫んで家に踏み込んだ。驚いた姑は嫁に早く寝るよう言いつけ、その夜は早く休ませた。それからは師走八日と二月八日の晩には、早く寝ないと鬼が婿に来るといって、変わりご飯を炊いて早寝をするようになったという。

原典より

姑は驚いて「嫁ご、早く寝ろ」といって、その晩は嫁を早く寝かせました。—— 騎西町史 民俗編――伝説・昔話・妖怪(騎西町(編)・騎西町史) より引用
地図で位置を見る

※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

騎西町史 民俗編――伝説・昔話・妖怪(騎西町(編)・騎西町史)

『騎西町史 民俗編――伝説・昔話・妖怪』は、騎西町が編んだ町史民俗編のうち、方言一覧の末尾と第9章「伝説・昔話」を収めたものである。調査協力委員や地域の老人クラブを通じて集めた二十八話で、久伊豆明神(玉敷神社)の獅子、雷電社の雨乞い、和尚の説話、いぼとり地蔵、入定塚、念仏橋、狐やムジナに化かされた話などを、話者名や郷土誌の出典を添えて載せる。章のはじめに伝説と昔話の違いを述べ、神社・寺堂・塚と橋・行事のいわれ・妖怪談の五節に分ける。

種別から探す

鬼行事由来夜なべ俗信

加須市の伝承

同じ種別の伝承

同じ文献『騎西町史 民俗編――伝説・昔話・妖怪』の伝承