広憧寺の坊主(古狸)
どんな伝承か
狸もまた人を化かすという。年を経た古狸は体を大きくすることができ、人より大きくなるとも言われ、狸に化かされるとは、この坊主と呼ばれる大狸を見ることだとされる。煙草に火をつければ化かされずにすむとも伝わる。この坊主は稲沢市下津の広憧寺の近くによく現れた。初詣りの帰り道に坊主が出たので驚いて逃げ出し、道で行き会った人にその話をすると、相手は「こんなものか」と言う。よく見れば、その人もまた坊主だったという。同じ目に遭った者は何人もいた。
原典より
広憧寺の初詣りの帰りに坊主が出たので、びっくりして逃げ走り、道端で行きあった人にこの話をすると、「こんなものか」というのでよくみたら、この人も坊主であったという。—— 西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異(西春町(編)・西春町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異(西春町(編)・西春町史)
『西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異』は、西春町の町史の民俗編である。九之坪・岡・沖村・石橋など町内の各ムラに残る御嶽山や塚、堂、小祠、石塔、家の神、祈禱師、祈願と参詣、霊威と祟り、狐や狸の怪異と憑きものを、聞き書きと『徇行記』や村絵図などの記録から記す。霊と神、祈願と参詣、霊威と怪異の三節に続けて、第十二章の伝説の節をムラごとの十八項に分けて並べ、最後の項の五条川の大蛇の目撃談で結ぶ。