円乗寺住職の家祈禱
どんな伝承か
石橋の円乗寺の住職は、新暦の正月二日から左義長までのあいだに檀家を回って家祈禱を行い、石橋と加島新田がその受け持ちだった。先祖供養ではないので、位牌を祀っていない新しい家でも頼まれれば勤める。仏壇にろうそくを灯し、法華経の序品・方便品・寿量品・陀羅尼品などを読み、頼まれれば先祖供養の経も加える。いまは一日に七、八軒を回るが、昭和四十三年に亡くなった先代のころ、石橋だけは一日一軒に限り、勤めのあとに夕食が出た。札は年の暮れに配っておき、台所寄りの鴨居に貼って翌年の左義長で焼く。
原典より
家祈禱は先祖供養ではないので、シンヤのように位牌を祀っていない家でも、申し出があれば行う。—— 西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異(西春町(編)・西春町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異(西春町(編)・西春町史)
『西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異』は、西春町の町史の民俗編である。九之坪・岡・沖村・石橋など町内の各ムラに残る御嶽山や塚、堂、小祠、石塔、家の神、祈禱師、祈願と参詣、霊威と祟り、狐や狸の怪異と憑きものを、聞き書きと『徇行記』や村絵図などの記録から記す。霊と神、祈願と参詣、霊威と怪異の三節に続けて、第十二章の伝説の節をムラごとの十八項に分けて並べ、最後の項の五条川の大蛇の目撃談で結ぶ。