首を絞めた狸を叱った男
どんな伝承か
昭和の初めごろの話である。千歯扱きで稲扱きをしていた当時、秋の忙しい時期は夜の九時ごろまで夜業であった。ある夜、仕事をしているとパラパラと音がする。狸がどんぐりを取って来て投げつける音であった。語り手は女衆を驚かすつもりで「こわいぞ、こわいぞ」とふざけていたが、その夜、狸が縁の下へ入り込み、寝ている上に馬乗りになって同じ言葉を言いながら首を絞め始めた。起き上がって捕まえ、二度とするなと怒鳴りつけると、狸はうなずいて逃げ、それきり悪戯はやんだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
草加市史 民俗編――伝説(草加市(編)・草加市史・自治体史(民俗))
『草加市史 民俗編』所収の伝説。埼玉県草加市に伝わる地名・塚・神社・地蔵・狐狸の伝説を採録する。