海賊鍋島から蔵を守った角屋
どんな伝承か
廻船問屋の劔地が没落したのち、脇野沢で頭角を現したのが角屋である。この家には海賊にまつわる話が残る。昔、鍋島という海賊が川内から脇野沢にかけての一帯を荒らしていた。昼は川内、夜は脇野沢という具合だったという。角屋の主人は愛宕山に置かれた見張り場からの知らせで海賊の襲来を先に知り、金品を蔵へ隠したため、略奪を免れたと伝えられる。角屋の祀る八幡様が観音様をさしおいて脇野沢の産土神になったという言い伝えも、この家に付いている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
脇野沢村史 民俗編――伝説と世間話・キツネ伝承(脇野沢村(編)・脇野沢村史・自治体史(民俗))
『脇野沢村史 民俗編』第七章・口承文芸所収の伝説と世間話。青森県下北半島・脇野沢村の口承を採録する。脇野沢を七地域に分けて語る地名起源伝説、子供を脅す妖怪モコ・ジョジョ、海に現れる亡者船、そして数多く語られるキツネ伝承を中心とする。