鷺が傷を癒した霊泉
どんな伝承か
瀬野川をさかのぼった先に、サギの湯という地名がある。冷泉が湧き出ており、鷺がここへ飛んできて水を浴び、体の傷を癒したことからその名が付いたといわれる。山や海での仕事は荒っぽく、手足に傷を負うことも多かったが、この冷泉の水を一升瓶に詰めて持ち帰り、沸かしたもので手足を浸すと傷の治りが早いのだと語られてきた。また廻船が盛んだったころには、腐りにくい水だという理由で、これが流れ込む瀬野川の水が千石船の飲料水に使われたともいう。付近には湯沢、ヌカリ沢という地名がある。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
脇野沢村史 民俗編――伝説と世間話・キツネ伝承(脇野沢村(編)・脇野沢村史・自治体史(民俗))
『脇野沢村史 民俗編』第七章・口承文芸所収の伝説と世間話。青森県下北半島・脇野沢村の口承を採録する。脇野沢を七地域に分けて語る地名起源伝説、子供を脅す妖怪モコ・ジョジョ、海に現れる亡者船、そして数多く語られるキツネ伝承を中心とする。