田植を手伝った娘姿の田植地蔵
どんな伝承か
万世の梓山にある普門寺の境内に田植地蔵が祀られている。昔、ある農家で苗がうまく育たない年があり、方々の家から余り苗を譲り受けてようやく田植を始めたが、いつまでも終わりそうにない。猫の手も借りたい忙しさに気ばかり焦る田植衆の中に、どこの娘とも知れぬ者が交じって、上手に苗を植えていた。日が西に落ちてようやく終わり、膳を並べると娘の噂で持ちきりになったが、誰も素性を知らない。日ごろ信心する主人の苗不足を聞き、地蔵が娘の姿になって手伝いに来たのだろうと語られた。間にあわせ地蔵とも呼ばれ、参れば苗に不足しないという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
米沢市史 民俗編――伝説(米沢市(編)・米沢市史・自治体史(民俗))
『米沢市史 民俗編』第八章口承文芸所収の伝説。山形県米沢市に伝わる鳥獣草木・山川湖沼・地蔵社寺の伝説を採録する。