赤鬼官軍
どんな伝承か
語り手が小さかったころに本当にあったという。江戸で将軍さまが赤い毛をかぶった官軍の兵隊に負け、その官軍が今度は会津と戦うためここを通って攻めて来ることになった。官軍さまは赤鬼と同じだから娘はみな連れて行かれて食われる、馬もみな取られると言われ、どこでも大した騒ぎであった。やがて馬が徴発されると、今度こそ娘の番だといって娘のいる家では夜も眠れなかった。上阿久津では船が多かったので村の娘を急いで船に乗せ、菰をかぶせて運び山の中に隠した。氏家宿では嫁にしてしまえば差し支えないとなり、急いで島田に髪を結って娘たちを縁付け、宿中に泣き虫の花嫁ができたという。
原典より
わんりゃ、ちっけえころのこんだげど、本当にあったんだど。—— 氏家町史 民俗編――伝説・昔話(氏家町(編)・氏家町史・自治体史(民俗)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
氏家町史 民俗編――伝説・昔話(氏家町(編)・氏家町史・自治体史(民俗))
『氏家町史 民俗編』第5章所収の伝説・昔話。栃木県氏家町(現さくら市)に方言の語り口で伝わる口承を採録する。