中舟戸のはなし
どんな伝承か
川田谷の八幡原に中舟戸という所があり、昔はたいそうにぎやかな名所であったといわれる。荷物の運搬をほとんど船に頼っていた頃、船やいかだが荒川を利用し、この中舟戸が港の役目をして積み込みや荷下ろしで賑わった。いかだ乗りの威勢のよい掛け声は北本の石戸岸あたりから聞こえ、それが岸辺の魚とりの網を片づける合図であった。船は五、六隻から十隻ほどの集団を組み、鴻巣あたりから東京の深川まで主に材木を運んだ。中舟戸には宿屋もあり、長く港として栄えたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
桶川市史 第6巻(民俗編)――伝説・昔話(桶川市(編)・桶川市史・自治体史(民俗))
『桶川市史 第6巻(民俗編)』所収の伝説・昔話。埼玉県桶川市(桶川・加納・川田谷地区)に伝わる口承を採録する。