こぶ神様
どんな伝承か
燃料の薪を取る林が大切にされていた昔、加納のある林に、地上二メートルほどの所にこぶがいくつもついた大木が一本だけ切られずに残っていた。珍しいので飾り物にしようと、ある人がはしごを掛けてのこぎりで切り始めたが、はしごが倒れて落ちてしまう。けがは軽かったが、見上げると切り口から血のような赤いものが垂れていた。木の精が宿っていたのかと恐れて手を合わせると、血は止まった。眠れない日が続いたその人は木の根元に小さな社を建てて毎朝拝み、林を伐ってもこの木だけは残した。社はコブ神様として土地の人に大事にされているという。
原典より
あのコブの中に木の精でもこもっていたのかも知れません。—— 桶川市史 第6巻(民俗編)――伝説・昔話(桶川市(編)・桶川市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
桶川市史 第6巻(民俗編)――伝説・昔話(桶川市(編)・桶川市史)
『桶川市史 第6巻(民俗編)――伝説・昔話』は、桶川市の市史のうち民俗を扱う巻で、ここにはその昔話・伝説の部分と第四節「予兆・占い・禁忌・呪い・民間療法」が収められている。昔話・伝説は調査ではほとんど聞かれなかったため、「広報おけがわ」に連載した話を中心に、イットコショダンゴ、古池の大蛇、熊野神社の池の膳椀貸し、狐狸に化かされる話など二十余りを区分せずに載せる。俗信の節は、言い伝えを桶川・加納・川田谷の地区ごとに箇条で並べる。