掌に安全ピンで留めた守り札
どんな伝承か
検査の初日、著者が脳波や脈波の電極を付けるためトニーの部屋へ入ると、彼は掌におさまるほどの金属製で楕円形をした守り札を、大きな安全ピンで手のひらに直接留めていた。太い針を表皮に二、三ミリの深さで刺し、水平に通して留めてある。痛みはないらしく、平気な顔をしていた。ある程度まで痛覚を抑えられるのだろうと著者は見る。守り札を付けたのは、生まれて初めて受ける物々しい検査への不安から逃れ、無事に終えられるよう神霊に願うためらしかった。この札は後日、山で修行していたころ神から授かったものだとして、著者と母に贈られた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
フィリピン心霊手術調査行(本山博・本山博・宗教心理学・昭和(1960年代))
宗教心理学者・本山博『フィリピン心霊手術調査行』。フィリピンの心霊手術(サイキックサージェリー)を二度にわたり現地調査した記録。第一回調査では、トレンチーノ教授宅で心霊手術師トニー・アグパオアと会い、メスを使わず素手で患部を開き腫瘍などを取り出すというトニーの心霊手術、トニーの生い立ちと九才で山にこもって心霊能力を得た話、心霊手術と守護神、マルセロの心霊手術を見聞し、トニーを来日させて皇居近くのホテルで超心理学的検査を行う。