壁越しに力を送り札を当てたトニー
どんな伝承か
ベルク氏とトニーは二月八日に来日し、皇居近くのホテルから三鷹の井の頭公園そばにある宗教心理学研究所へ一週間通った。検査は朝十時から昼過ぎまで続く。壁も床も窓も物理的なエネルギーを通さないよう遮蔽した部屋を用意し、トニーと日本人の被験者を別々に寝かせて脳波や呼吸、皮膚電気反応を測る。合図でトニーが心霊手術に使う力を壁越しに送ると、相手の呼吸は急に速まり、脈は浅く速くなった。被験者は何をされるか知らされておらず、体を締めつけられるようで苦しかったと述べた。さらにトニーは二部屋隔てた場所に伏せた記号カードを次々に言い当て、優れた超感覚的知覚を示した。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
フィリピン心霊手術調査行(本山博・本山博・宗教心理学・1971年(昭和46年))
『フィリピン心霊手術調査行』は、本山博がフィリピンの心霊手術を二度現地で調べた記録の上巻で、序文の日付は一九七一年四月、本文末尾は一九六九年二月である。ライン教授の紹介で来訪したベルク氏を機に昭和四十一年と四十三年に渡り、トニー、ブランシェ、メリカドらの手術に立ち会い、手術家の超心理学的検査や摘出物の病理検査を行った経緯を見聞のままに記す。第一回調査、帰国後の反響とインチキ騒動、第二回調査の三章からなり、巻頭に標本の病理診断書を掲げる。