老僧に化けた狸が書いた三社託宣
どんな伝承か
武州多摩郡国分寺の名主儀兵衛という者の家に、狸が書いたという筆跡が伝わっている。三社の託宣を記したもので、篆字・真字・行字を交え、文章にも違う所があり、いかにも狸が書いたものと見える。これは、狸が老僧の姿に化けてこの家に止宿し、京都紫野大徳寺の勧化僧で無言の行者と称し、用件はすべて書で伝えたのだという。その後、武蔵国内で犬に見とがめられて食い殺され、狸の正体を現したということである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・大正・昭和初期)
博物学者・日野巌の古典的妖怪研究『動物妖怪譚』の前半(總論〜多爾具久)。