神戸の身代わり地蔵(護符と安産)
どんな伝承か
川口市神戸の町会集会所に祀られている地蔵尊は、もとこの地にあった真言宗の宝泉寺に祀られていたもので、「身代わり地蔵」「子育て地蔵」として広く知られる。昔、ある村で生み月を迎えた妊婦が難産に苦しみ、今にも息絶えるかと思われた。護符を戴けば苦しみが和らぐと聞いた家人が飛び出すと、折よく托鉢の僧に出逢い、事情を話して護符を戴いて飲ませたところ、苦しみは嘘のように鎮まり、無事に赤ん坊が生まれた。礼を述べようと僧を捜し当てて身分を尋ねると「神戸村の宝泉寺の僧だ」という。後日訪ねてみると、その寺は無住になって久しかった。さてはお地蔵さまがお助けくだされたのかと、産婦と母親は釣り鐘を寄進したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
川口市史 民俗編――伝説(川口市(編)・川口市史・自治体史(民俗))
『川口市史 民俗編』第4章所収の伝説。埼玉県川口市に伝わる自然・神社・地蔵・観音・薬師の伝説と命名由来を採録する。