天狗森で手足を抜かれた若者
どんな伝承か
柳田国男の『遠野物語』に載る天狗譚の一つ。松崎村の天狗森という山で、力自慢の若者が仕事の疲れから眠り込んだ。目を覚ますと赤ら顔の大男が自分を見下ろしている。何者かと問うても答えないので、突き飛ばしてやろうと飛びかかったところ、逆に一撃で跳ね飛ばされて気を失った。夕方に我に返ったときには大男の姿はなかった。その秋、村人が大勢で早池峯の山裾へ萩刈りに出たが、帰り支度のころにこの男だけがいない。深い谷の奥を探すと、手も足も一本ずつ引き抜かれた姿で死んでいたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
暮しの中の妖怪たち(岩井宏実・岩井宏実・民俗学・昭和(現代民俗学))
民俗学者・岩井宏実による妖怪事典『暮しの中の妖怪たち』。日本各地の妖怪を暮しの空間(山・海・道・家・屋敷)ごとに、約六十項目にわたり具体例とともに解説する。