宝登山の帰り道に付き添った送りオオカミ
どんな伝承か
高尾の幸之助おじいさんが、ある年、宝登山神社の講の代参として、秩父の宝登山まで歩いてお参りに行った。お札をいただいて帰ろうとすると、神主が、今から帰っては遅くなるのでお供をつけましょうと言ってくれた。礼を述べて帰途についたが、途中で日が暮れた。ふと見ると、オオカミが遠のいたり近づいたりしながらついて歩いていて、背筋が凍るほど恐ろしかった。松山と吉見を過ぎて荒川を渡ったところで、もう家も近くなりました、ありがとうございましたと声をかけると、オオカミはふっと見えなくなったという。
原典より
松山、吉見をすぎ、荒川を渡ったところで幸之助おじいさんがオオカミに「家も近くなりました、ありがとうございました。」とお礼を言うとオオカミは見えなくなってしまったとさ。—— 北本市史 第6巻(民俗編)――伝説(北本市(編)・北本市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北本市史 第6巻(民俗編)――伝説(北本市(編)・北本市史)
『北本市史 第6巻(民俗編)――伝説』は、北本市の市史民俗編のうち、第十一章「伝説・世間話・昔話・諺」の冒頭部分である。章の「はじめに」で四者の性格を説いたのち、第一節「伝説」に蒲桜・龍灯杉・一夜堤や多くの塚の伝承、送りオオカミ・河童・禁忌動物、おたきあげ・十日夜の由来など四十二項目を収める。多くの項目は見出しに石戸宿・高尾などの伝承地を添え、話者名や「埼玉県伝説集成」などの出典を▽で示す。