風呂ヶ谷の稲荷社の近くにあった三輪大明神の小社を
どんな伝承か
三田市小野の風呂ヶ谷に伝わる一説。風呂ヶ谷の稲荷社の附近に三輪大明神の小社があり、水田開発のためこれを移して開墾したところ、土中から刀が三口出土した。二本は腐蝕して砕けたが一本は形が整っていたので、これらを祠に納めて氏神天満宮の傍らに祀ったという。石井光雄老僧らが語る。美宇和王の宝刀をご神体とする伝えに対して、神社に遷されたのは三輪大明神・住吉大明神など三輪四社大明神であり、伝説の宝刀は昭和初年に某が持ち出して所在不明となったから宮に宝刀はない、とする説もある。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
兵庫県民俗調査報告8――伝説(兵庫県(編)・兵庫県民俗調査報告・自治体史(民俗))
『兵庫県民俗調査報告8』第10章口頭伝承所収の伝説。兵庫県三田市周辺・千丈寺山麓に伝わる集落発祥・神社・廃寺・城跡の伝説と怪異を採録する。人を神として祀る南千丈寺山頂の松住大権現の磐座、焼き討ちされた千丈山観音廃寺、疫病神を追い払う戸守の鍾馗、法事帰りに重箱を襲う狐狸の怪、人の尿を好み小便たごを空にする狼話3題などを収める。各事例を日付・場所・人物・状況のマーカー付き事例単位で網羅した、摂津・三田の伝説と狐狼・鍾馗信仰の資料。