にんにくと鰯の頭で防ぐ厄病
どんな伝承か
疫病を家に入れないためのまじない。大日向や平林ではにんにくを門口に吊し、大日向は八日堂で求めたショミンソライも下げた。上区・花岡・下海瀬では鰯の頭を串や豆の木に刺し、唾をかけて焼いて戸口に挿した。曽原と畑中では餅や粉を丸めて鬼の目玉をこしらえ、串に刺して入口に立てた。高野町では草つめびしょを吊し、炒った菜種を門口に撒いて、芽が出るまで悪魔が寄らないことを願った。五月五日には多くの地区で菖蒲と蓬を屋根に挿した。疱瘡やはしかを送り出すには、平林・曽原・上区でさんだわらをかぶって橋の下をくぐり、余地ではさんだわらと御幣を川原で送ったという。
原典より
菜種を炒って門口に撒く、芽を出すまで悪魔が来ない。—— 佐久町誌 民俗編――俗信(佐久町(編)・佐久町誌) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐久町誌 民俗編――俗信(佐久町(編)・佐久町誌)
『佐久町誌 民俗編――俗信』は、十石峠から横岳に及ぶ佐久町の町誌のうち、町内の俗信を扱った民俗編の一部である。大日向・余地・高野町・上区・花岡など各地区で採集した天候や作柄、火事や死の予兆、夢と縁起、易者や戸隠神社の御籤による占い、厄病よけや雷よけのまじない、死や産にかかわる忌み、ものもらいの民間療法などを記す。予知(予兆)・占いと呪い・物忌み・民間療法の節に分け、項目ごとに地区の言い伝えを地区名とともに並べる。