旅の安全に関する予兆
どんな伝承か
旅立ちの吉凶にかかわる言い伝え。大日向ではわらじの紐や新しい履物の緒が切れると悪いとし、曽原・平林・上区・高野町・下海瀬でも履物や下駄の鼻緒が切れると旅先で災難に遭うといって、町内どの地区でも不吉の兆とした。余地では犬や猫が死ぬなど縁起の悪いことがあると旅立ちを延ばした。上区では葬列に会うのも悪い兆で引き返すか特に注意したが、高野町では逆に運が良いといった。上区・高野町・下海瀬では「月の七日に出でたるものは帰るまいぞえ九日に」と唱え、七日の旅立ちと九日の帰宅を避けた。花岡では家を出て最初の橋まで送り、おはねりを撒いて清め、旅の安全を祈った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
佐久町誌 民俗編――俗信(佐久町(編)・佐久町誌・自治体史(民俗))
長野県『佐久町誌 民俗編』所収の俗信。佐久町(現佐久穂町)に伝わる予兆・占い・まじない・物忌み・民間療法を地区ごとに採録する。