日光の男千里眼と神隠し
どんな伝承か
日光に千里眼を持つ男がいた。その生い立ちはひどく数奇なもので、六歳のときにいわゆる神隠しに遭い、二十一、二歳になった年の春、ふらりと戻ってきたのだという。十数年ものあいだ山中にこもっていたため世間の様子には疎かったが、長い山籠りの間に千里眼の術を身につけたと伝わる。米飯は口にせず、木の実や蕎麦粉の類を常食とし、今でも折々一週間ほど山にこもる。人が金品を与えようとしても決して受け取らず、蝋燭だけは受け取った。理由を尋ねると、山籠りの際に暗くて困るので灯りに使うのだと答えたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊哲学の現状(高橋五郎・大正時代(1910年代推定))
バイバル夫人の交霊会(心霊哲学の現状)/霊媒術と自動書記/音声による霊界通信/物質化現象/心霊哲学と死後存続論