井戸の蓋に載せられた怨念石
どんな伝承か
本所の菊川町三丁目に、住むと必ず誰かが病むという古い借家があり、半年ともたずに人が去るので妖怪屋敷と呼ばれていた。昭和二年の夏、家主が行者に見てもらうと、女の怨霊の祟りだという。来歴を調べると、幕末にここへ住んだ旗本が下女に手をつけ、妬んだ妻が井戸へ突き落として蓋をし、上に大きな石を載せて死なせていた。その石が庭から出たので怨念石と呼ばれ、噂を聞いて見物に来る者まで現れた。石屋が足で指し示した途端に倒れ、熱を出して足が立たなくなったこともある。日蓮宗の導師が経をあげてからは何事もなくなり、石は伊豆伊東の仏現寺へ移された。
原典より
* 墓石の戒名 (361)* 幸福の家 (362)* 商売の繁昌する家 (364)* 招く松の木 (365)* 別れに来た細君 (366)* 細君の姿が現われる (367)* 白い小犬を抱いた…—— 日本怪談実話(田中貢太郎・河出文庫版・決定版・昭和13年編纂(1938年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本怪談実話(田中貢太郎・河出文庫版・決定版・昭和13年編纂(1938年))
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