墓の茶碗が割れて授かった子
どんな伝承か
昭和十年ごろの話である。茅ヶ崎市のある家で、六歳ほどの長男が七五三の祝いに宮で赤飯をもらい、二人で分けて食べたところ、その子だけが赤痢にかかって亡くなった。初めての子で長男でもあり、両親はどうしてもあきらめきれず易者に見てもらう。四十九日のうちに墓の茶碗が割れれば、男の子が生まれ変わって授かるという答えだった。母親は毎日のように墓へ通い、茶碗が割れるのを願って眺めていたが、はたして四十九日を待たずに割れた。そうするうちに母親は身ごもり、生まれたその子が三男で、今も健やかに暮らしているという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和)
松谷みよ子『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』を小話単位で全699話収録。死の知らせ・予兆、あの世(地獄・極楽)へ行った話、死者からのサイン、生まれかわりなど、生死とあの世にまつわる現代の民話を全国から採集し地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明606話・市区町村判明489話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。