角島(つのしま)
どんな伝承か
長門の角島では、漂流死体を見て可哀そうなことをしたなどと優しい言葉をかけると、とかくその人に亡霊が乗り移るから言わぬものだと言われていた。かつてこの地に、対岸の特牛の遊女と深く馴染んだ若者の死体が上がった。それを拾って葬ってやった家の娘が、可哀そうなことをしたと言ったばかりに、娘に霊が取りついて、しきりに遊女の名を呼んでは恋しい恋しいと言ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 偽汽車(松谷みよ子・民話・口承文芸・昭和〜平成)
松谷みよ子『現代民話考 ― 偽汽車』を小話単位で全525話収録。汽車・船・自動車などの乗り物にまつわる現代の民話・怪談を全国から採集。狐狸が汽車に化ける偽汽車、船幽霊、タクシーに乗る幽霊などを地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明496話・市区町村判明359話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。