霊の住処は墓、摩文仁にさまよう霊
どんな伝承か
死んで間もない者のマブイ(霊魂)は、どこを拠りどころとしているのか。ユタの伊識春野は、一番の拠りどころは墓であると答える。自分の遺骨が納められ、先祖たちの遺骨もあるからで、他家との共同墓であっても霊界では系統ははっきりしているという。位牌は現世とのつながりの目じるしのようなもので、常に霊がそのもとにいるわけではなく、法事のときだけ拠りどころになる。慰霊の塔も位牌と似たもので、塔に霊が寄り集まっていると考えるのはまちがいだという。ただし塔とは別に、摩文仁ではいまでもたくさんの霊魂がさ迷っており、霊たちが心おきなく成仏できる状態にしてやらねばならないと伊識は語った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
ユタと霊界の不思議な話(月刊沖縄社・昭和(1985年・昭和60年前後))
月刊沖縄社が1985年(昭和60年)前後に刊行した「ユタ・ハンドブック」。沖縄の女性霊能者ユタ20名(実名取材8名=新垣好子・漢名光子・金城米子・玉城静子・玉寄郁子・原田貴美枝・伊識春野・諸見里よし子)への取材を、序章の体験談5話、第一~四話の問答34項目、第五話「ユタを母に持った子の手記」、伊識・金城の霊示事例、有名霊能者120人名簿、用語集で構成する。