所沢街道の人魂
どんな伝承か
北秋津出身の明治四十一年生まれの女性が、十三歳ころに体験した話である。所沢の町に用があり、今の中央病院から駅へ向かう、所沢街道と呼ばれた道を歩いていると、当時その近くにあった病院の方角から、直径一〇センチほどの火の玉がふらふらと飛んできて頭上を越えた。二〇センチほどの尾を引き、白とも青とも黄ばんだともつかない色をしていた。人魂はある長屋の所まで来ると、すうっと消えた。のちに、その長屋の老婆が病院で亡くなったと聞き、病院から老婆の人魂が飛んだのだろうと考えたという。
原典より
見ていると、その人魂はある長屋のところまで来て、スーッと消えてしまった。—— 所沢市史 民俗編(所沢市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
所沢市史 民俗編(所沢市史)
『所沢市史 民俗編』は、所沢市の市史の民俗編から、第一二章「口頭伝承」の一部を収めたものである。ヘビや天狗・カッパ・雷獣の話に続けて、世間話の「不思議な話」としてカラス鳴き・人魂・死の予兆・夢・木の祟り・生き霊・幽霊騒ぎ・タクシーの幽霊などを、市内の話者からの聞き書きで記す。話ごとに題を立てて同じ題の話を番号で並べ、話者の性別などを添え、ホラ吹きやオトウカドンの話も続ける。