松の枝と思って腰かけた大蛇
どんな伝承か
府中市の浅間山には、おみたらしという湧き水があり、どんな旱魃でも絶えることがない。遠方からも一升びんを持って汲みに来て、水の垂れる所に置いておくのだという。雨乞いにも使う水で、主である大蛇がそこにいるといわれている。語り手の身内の八〇を過ぎた老女が、昔、たきぎ取りに浅間山へ入り、疲れたので松の枝だと思って腰を下ろした。ところがそれが大蛇で、首をもたげたので驚いてしまった。家へ帰ってからも何かに怯えるようになって病みつき、じきに死んでしまったという。蛇久保台という地名もあるから、まんざら作り話でもないと語られた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・昭和〜平成)