笠地蔵(鶉村の辻)
どんな伝承か
大晦日を明日に控え、貧しい笠売りの夫婦は、売れ残った六つの笠を提げて雪道を家へ帰る途中、村境のはだか地蔵が六体並び、雪をかぶって寒そうにしているのを見た。情け深い主人は持っていた笠を六地蔵にかぶせてやり、何も持たずに帰った。その夜、外から声が近づき、家の軒先に何かを置く音がした。戸を開けると、雪の中を六体の石地蔵が歩き去っていくところであった。軒下には大判小判の詰まった袋があり、「笠のお礼」と書いた紙が添えられていた。以来、この夫婦は笠売長者と呼ばれるようになったという。坂井郡鶉村の辻に伝わる話である。
原典より
流れよる子鉢かつぎ娘狐女房猿婿入継子の椎拾ひ栗拾ひ継子と笛豆太鼓金の椿舌切雀—— 福井縣鄕土誌 民間傳承篇(福井縣鄕土誌・昭和初期(1920年代~1930年代推定)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
福井縣鄕土誌 民間傳承篇(福井縣鄕土誌・昭和初期(1920年代~1930年代推定))