普請場に来た娘の魂
どんな伝承か
遠野の土淵村で、慶次郎という大工が新築の普請を進めていたころの話である。四、五十人の大工が昼休みを取っていると、十六、七ばかりの美しい娘が潜り戸を開けて入ってきた。それを見た慶次郎は、いまのは隣家の小松だが、傷寒で臥せっている身でここへ来られるはずがない、それではとうとう死ぬのだろうか、と口にした。娘は果たしてその翌日に亡くなったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考・昭和50年代~60年代(推定))
松谷みよ子『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』を小話単位で全513話収録。夢のお告げ・予知夢、火の玉、ぬけ出した魂(離魂)など、心と生死の境にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明482話・市区町村判明386話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。