長門石
どんな伝承か
久留米市長門石は、佐賀県と福岡県の境を筑後川が流れる小さな島のような土地で、昔は毎年のように洪水の水害に悩まされていた。その頃、七木の地蔵が堤防の外の低い所に祀られており、洪水のたびに水浸しになった。当時の市会議員繁太郎という人が、地蔵を上へ上げてはどうかと村の人に相談していたところ、ある晩に急に大熱を出し、地蔵が夢枕に立って「自分はこのままで良い、上にはあがらない」と告げたそうである。それでそのままにして村の人が大切に守ってきた。今では土地改良で筑後川に橋ができて便利になり、土地の半分は住宅地となって、地蔵も広い所へきれいに移され立派に祀られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考・昭和50年代~60年代(推定))
松谷みよ子『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』を小話単位で全513話収録。夢のお告げ・予知夢、火の玉、ぬけ出した魂(離魂)など、心と生死の境にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明482話・市区町村判明386話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。