竹やぶの女の首を告げた夢
どんな伝承か
上野原の町に良江さんという十九歳の娘がいた。ある日、定期券を買うのを思い出してバスを降り、駅へ戻る坂道でアベックとすれ違った。帰りに近道のわき道へ入ると、竹やぶの中でガサガサと音がして、女の白い足が笹を蹴っているのが見えた。さっきの二人だろうと恥ずかしくなり駆け抜けた。年が明けた一月下旬の明け方、良江さんは夢を見る。あの坂道を歩き、次いで竹やぶの近道に立つと、雀が騒がしく鳴くなか、竹に挟まれた女の首があった。友人と現地へ行ってみると、夢のとおり半ば白骨化した女の首が竹に挟まっており、近くに首のない死体もあった。犯人はあのアベックの男だった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考・昭和50年代~60年代(推定))
松谷みよ子『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』を小話単位で全513話収録。夢のお告げ・予知夢、火の玉、ぬけ出した魂(離魂)など、心と生死の境にまつわる現代の民話を全国から採集し収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明482話・市区町村判明386話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。